先週のアルトコイン市場には、暗雲が立ちこめました。
イーサリアムで暴落が起き、移動平均線でもデッドクロスが起きているため、リップルもつられるかもしれません。
最近の市況の背景として、SEC(米証券取引委員会)の相次ぐ提訴の影響が考えられます。
イーサリアムとリップルの市況についてまとめました。
要点
・SEC提訴の影響によりイーサリアムでデッドクロス
アルトコイン市場ではイーサリアムのデッドクロスをきっかけに、ネガティブな情勢が続きそうです。
先週のイーサリアムの値動き
まずはイーサリアムの値動きを見ましょう。
GMO販売所の日足チャートによる検証です。
先週のイーサリアムでは集中的な価格下落があり、デッドクロスも起きています。
週の始めの7日から4日連続で下落しており、とくに10日の下落率が大きい状況でした。
7日の始値は25万5669円でしたが、10日の終値は23万7106円まで下がりました。
7日から10日までの下落率は約7.3%です。
そのうち10日は、始値の24万9620円から1日だけで約5%のダウンでした。
以上の値動きは、それまでの上昇トレンドから下落トレンドへの転換を思わせます。
今後はしばらく、ネガティブな値動きが続きそうです。
移動平均線では9日にデッドクロスが起きました。
青の5日線が赤の25日線の下へ通り抜けたのです。
デッドクロスの発生によって、10日に狼狽売りが起きたともとれます。
移動平均線の動きから見ても、イーサリアムは下落トレンドに入ったと考えられます。
先週のリップルの値動き
続いてリップルの値動きも見ましょう。
こちらもGMOコイン販売所の日足チャートで検証します。
リップルはイーサリアムとは違い、当初はレンジ相場が続きました。
イーサリアムの下落が始まった7日や9日でも陽線でした。
一方で10日の値下がりが目立ち、始値は73.214円に対して終値が68.691円です。
この間の下落率は約6.2%でした。
イーサリアムとは変わらない下がりっぷりで、下落トレンドへの転換を思わせます。
移動平均線では、まだデッドクロスは起きていません。
しかし5日線が下を向き始めており、25日線の上昇傾向が続いているため、交差が近い印象です。
イーサリアムですでにデッドクロスが起きましたが、リップルでも時間の問題でしょう。
今後はリップルでも、集中的な値下がりを警戒してください。
SECの相次ぐ提訴の影響でアルトコイン市場に暗雲
最近のアルトコイン相場は、SECの相次ぐ提訴が影響しています。
SECは5日にBinance、6日にCoinbaseを連邦証券法違反の疑いで立て続けに提訴しました。
Coinpostによると、SECはBinanceに対する訴状でバイナンスコイン(BNB)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)など10数種類の仮想通貨を有価証券として挙げました。
以上を踏まえ、同社が正式な手続きなしでそれらを売買していることを提訴理由に述べています。
またCoinbaseへの提訴の理由は、正式登録なしでの取引所やブローカー運営などです。
SECが一部アルトコインを有価証券とみなしたことで、仮想通貨業界に動揺が広がりました。
9日に米取引所ロビンフッドはソラナやカルダノ、ポリゴンのサポートを27日に終えると表明しています。
なかでもポリゴンはイーサリアムのセカンドレイヤーチェーンとして生み出された仮想通貨です。
カルダノはイーサリアムの共同創設者であるチャールズ・ホスキンソンが考案しました。
ロビンフッドがこれらの通貨のサポートを終了したことで、関連のあるイーサリアムでも投資家心理がネガティブになったようです。
この背景により、イーサリアムでは9日にデッドクロスが起き、10日にはリップルとともに集中的な暴落が起きました。
今後のアルトコイン市場でも、狼狽売りが続くかもしれません。
まとめ
先週のアルトコイン市場は、SECの提訴の影響を受けました。
とくにイーサリアムはデッドクロスを迎え、価格水準が下がっています。
リップルをはじめほかのアルトコインもこちらにつられるかもしれません。
SECからの提訴ラッシュは、仮想通貨業界を動揺させています。
今後も仮想通貨規制をめぐるニュースが、アルトコイン市場にネガティブな影響を及ぼす可能性があります。
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